2015年1月28日水曜日

Daniel Rossen


メンバー全員のポップセンスのバランスがあまりにも良いので、ややナーディックな傾向ではありながらも、個人的には現代のBEATLESのように思っているBrokklynのバンドGRIZZLY BEAR。そのグッドなメロディメイクの背景に、メンバーのリスナーとしての多様な音楽遍歴の構築と厚みをいつも感じます。

その四人の中の一員で、DEPARTMENT OF EAGLES、ソロとしても活動するDaniel Rossenなのですが、カントリーでシンプル且つ、しっかりとしたソングライティングを基盤にしながらも、バンジョーや爪はじくガットギターの音が、フォークロアでエキゾチックな一面もあり、改めなくとも良いSSWなのは周知ですが、自分にとっても大変好きなタイプのアーティストの1人です。ロー・ファイでチェンバーなサウンドでも、回を重ねて聴いて行く度に、色が増していくような広大性もあって、そこには、彼自身の音楽性の幅の広さが、曲に滲みでて溢れてきているからのような気がしてます。

そのDaniel Rossenがカヴァーしている名曲も、オリジナルに一切の遜色なしの出来映えで、このElvis Presley「Love Me」も、音源として是非リリースしてほしい一曲です。
ウィスパーっぽい優しげな歌声ばかり連想してたDaniel Rossenですが、ライブ映像を観ていると、意外とハスキーでしわがれた男臭さなんかも醸し出していて、この曲もいい具合に哀愁が漂っています。


ジプシーっぽいカラフルさが源泉のように湧き出てくるような、夭折した歌姫Judee Sillの「Water Fall」。こちらは、いつも良い仕事をされるP-Vineさんからオムニバスとして発売されています。他のアーティストがカヴァーした楽曲群も、それぞれ個性が出ていて楽しい愛聴盤です。朝の柔らかな空気にマッチするので、日の光を浴びながらよくかけている一枚です。


CANTでバンドメンバーでもあるChris Taylorに誘われてGRIZZLY BEARに加入するまでは、DEPARTMENT OF EAGLESの前身バンド(まさかのトリップホップ)で活動してたらしいのですが、DEPARTMENT OF EAGLESと言えば、この曲が印象的で有名でもあります。MV制作はBECK『Guero』のアートワークでも知られるMarcel Dzama。ファニーでストレンジな無邪気さと、マットでシニカルなイディオティック感が、楽曲にピッタリです。




左は六年前に購入したDzamaの画集と、右は子供のベッドタイム用にCDもついている絵本です。アウトサイダーアートっぽいウィアードさがあるけど、少し気が抜けるような可愛さもあってどちらもよく見返すお気に入りの作品です。最近までManhattanでエキシビジョンがあったDzamaですが、いつか日本にも巡回してくれたらいいのなにぁ、と常々思います。
そして、Daniel Rossenもツアー中、おそらく日本には来ないので、家でフルリピートして、どっぷり楽曲に浸る日々を過ごそうと思います。


家で楽しめるといえば映画もその1つです。
芳醇なコーラスワークのGRIZZLY BEARの音楽と、主人公たちの想いのコントラストの対比を美しい映像で捉えた2010年の映画『BLUE VALENTINE』。

この映画、結末が見る人の心の在り方で変わってくるので、当時色んな見解を目にしました。

自分自身でさえも気持ちの行き着く先はわからないもので、縁があって結ばれて約束をしたとしても、人の感情は日々変化していきます。
それはごく自然なことで、奪うようなことも、独占することもできない唯一のもの、なような気がします。ただ淡々と、そう考えてしまうと、誰かと生きる事はとても切ない行為に思えるけど、素敵なものを観たり聴いたり、自分がとっても感動したときに、ふと頭の中をよぎる顔、があればそれはとても幸福な事だし、その気持ちがほんのりと淡くても、大切にして生きる事は、自分をつくる土壌にも繋がっていくと思うのです。

オブセッションの複雑さは、いつだって自分じゃない誰かとの間に介在していると思うし、そこから沢山のものたちが産まれていくんだろうなぁ、とこの2人を見て考えさせられます。

長々と連なってしまいましたが、この2人の行方をバッド・エンド以外で想像しています。音楽と共におすすめの映画です。


2015年1月25日日曜日

Fantazista at Pulp


D.K.Z
とは、大友克弘さんとのコラボレーションでも広く知られる河村康輔さんと、双子で制作されているアートユニット、HAMADARAKAのお三方からなるプロジェクトです。大阪堀江のアートスペースPulpにて、24日から開始されている、D.K.Zによる【Fantasista】展に行ってきました。

河村康輔
http://ameblo.jp/zaide/
http://www.eyescream.jp/blog/kawamura

HAMADARAKA
http://hamadaraka.tumblr.com/


一見取りつく島もないような、余りにも均整のとれた完璧なシンメトリーの河村さんのコラージュは、実際に観てみると切り貼りの後が肉感的で生々しく、ある種、生命の烈々とした荒々しさに、気圧されるような迫力さがありました。
そこに絡み合うような、HAMADAKARAさんの鈍色のドローイングは艶めかしく、用紙の色が活きた花びらを重ねたような筆痕は淡く、幽玄的でドリーミーに調和、昇華されています。


1つ1つを目で追うと、エッジィでシャープなパーツで溢れているのですが、ひいて全容を眺めると、絵本を開いた時のようなチルディッシュな感覚にも陥る、何とも不思議な作品達に、少し女性の本質を覗いたようにも感じる展覧でした。

ここ数年、鋭意的な活動を展開されているPulpさん、マイペースな活動をする自分は、ピリリとした心地よい刺激を受けています。皆様、是非行かれてみてください。

D.K.Z [ Fantasista ]

2015/1/24-2/1 
*closed on 1/26
mon-fri 15:00-20:00
sat,sun 13:00-20:00
最新の詳細はPulpPicturesにてご確認ください。


2015年1月7日水曜日

2014年のモノコトと、2015年の抱負です。


大きなアクションはしなかった。と、音楽と共に振り返った昨年末でしたが、新年を迎えて、ゆっくりと1つずつ手に取ってみると、自分が考えていた以上に素晴らしくて貴重な経験をさせてもらってた事に気づかされます。
水戸での拡張するファッション展を筆頭に、東京ではflotsambooksさんの売り子として参加させていただいたARTBOOKFAIR、念願だったlilmagさん主催のZINESTERAFTERNOONも訪れる事ができました。
どことなくインターナショナルな体験とも隔て、地元のギャラリーPulpで見たbirdFriendBとFとMIX展なんかも、カセットテープ熱がリヴァイヴァル中の身としては興味深くて楽しかったです。
普段は自分の文章も読み返したりしませんので、いくらその時に絶対に忘れない、と深く思っていても、その端々を記憶につなぎ止めて置く事は現実には難しく、こうやって実際にモノに触れる事を頼りにして、自分の中にあるコトがまた再び広がっていくような気がしています。
少し前だったら、その頼りなさや移ろいやすさを悲しく受け止めてしまっていたかもしれませんが、年を経るにつれ、何となくそんなものなんだよなぁ、と、全く悲観でも諦観でもなく折り合いをつけられるようになった昨今です。
嬉しい再会も沢山あり、たとえその繋がりが細い糸のようにしか感じれなかった時があったとしても、またいつかには会えるんだなぁ、とインターネットに対して肯定的に感じれる部分も増えてきましたし、古着屋さんにもよく行って音楽も沢山聴きました。
人様からは、しばしばデモーニッシュに映るかもしれませんが、自分でも驚くくらいの遊びっぷりで、何となく学生時代を取り戻せたような気持ちでもあった2014年でした。

英語でも日本語でも、昔からコミュニケイトする、という事が下手で、だからこそZINEという媒体が不可欠なのですが、分かって欲しい、と甘えるばかりではなく、2015年は肩の力も1つ抜きつつ、訥々とでも言葉にして伝えていこうと思います。


まだ雪が残る京都にフラッと1人で行ってきたお正月、この凛とした静けさは、英語では適切な言葉がなく、表現の歯がゆさを感じるところです。


禅のお寺だったのですが、聞くところによるとDEERHUNTERのMosesも禅をしているらしく、あの日本とはまた違うスッとした寒さのイギリスの夏も思い起こします。



明るく楽しく、って事は本当にいいことだと思うし憧れ続けます。でもそこばかりにハイライトを宛てようとすると、とても疲れるしたまに自分を偽ってもしまいます。
本来のモーヴで落ち込みがちな部分も受け入れる事こそが大事な事なんだな、と思えるようになってきました。あまり意気込まずこれからを頑張りたいと思います。


FISHMANS「いかれたBABY」

みんながあなたを覚えていて、私はその中にあなたを見つける。
元気?
そして、それからね、、、
私はそれらから、感じる事ができる。
新しい春、これからの日々、まるであなたのような今日。
あなたは、私にそれらの事を齎してくれる。
真新しい春を。

ハナレグミがカヴァーした方も大好きなのですが、前奏部分に想いの詰まったMARIMARI verの方を添えさせていただきます。
故 佐藤伸治さんのパートナーでもあった彼女のメッセージを、聞いたままですが訳してみました。

本年もよろしくお願いします。