2013年10月30日水曜日

Now I`m A Spook




                                           THE SPOOKS
 


前回BALKANSの時も書いたようにとにかくサイドプロジェクトが半端ないアトランタのシーン。
BLACK LIPSのCole(Vo),Jared(Ba),Joe(Key)のIanを除く3人のメンバー(ただしIanも他に複数のバンドに参加している)と同郷バンドThe Kiwisのメンバー2人による“ゴーストが憑依した”とされる5ピースバンド。結成は2002年。ハロウィンが近くなるとアトランタのライブハウスに表れては人々を恐怖に陥れるというこの5人組(人、という表記がもはや正しいかさえもわからない)は2004年レコーディングを開始し2008年にデビューLP『 Death From beyond the Grave 』をBLACK LIPSのレーベルであるDie Slaughterhaus Recordsよりリリース。

BLACK LIPSで聞くのとは違うJaredが発する呻き声のような低音、まるで昔のホラー映画を観てるようなJoeが弾くオカルティックなキーボードの音色、レコードの針を落とした瞬間部屋に飛び交うような歪んだテルミンの音。どこをどうとっても本格的に不吉でスペクトルで不穏なサウンド。なのにゴスっぽさは不思議と皆無。それは、このバンドの核(首謀?)である(と思う)ヴォーカルのColeが、アジアや中東辺境の仏教、音楽にものすごく精通した人であるからなように思う。
このTHE SPOOKSだけじゃなく、彼のソロの音源やMVもみるとそれが顕著に表れてると思うが(因みに南部ジャグバンド等への造詣がとくに深いのも彼。だけに近年実現したLonnie Holleyとの共演は心温まるようなものがあった。)西海岸スケーターシーンにもクロスしてるとは思うけど、太陽のようにカラッとしたようなあちらに反して、この人の場合はとにかくインテンスでディープでドープ。
Rob`s House Recordsから2006年にリリースされたATLAS SOUNDとのSPLITに収録されているOld Cole King Younger名義の「Full Moon」なんかはまさにソレ。

表記されると、とかくセンセーショナルになりがちで、それが嫌でバカバカしくやってるように見せてるけど、この人達はけっこう社会を冷視、風刺してると思う。もう多くは言及しないけど(とても繊細で難しい問題)それは「Veni Vidi Vici」。BLACK LIPSでも表れていると思う。


銘品名がちがう。

最近は吸い殻も道端から減った。クリーンな日本。
  
人間だけじゃなく不可知に対してをも向けたようなこのサウンドをレコードプレスで出してしまうと
いう所にもこだわりを感じるが、なんとジャケットとMVも3D使用!




レコード頼んで3D眼鏡がついて来たの初めて。いつも親切に対応してくれて仕事も早いので言う事ないんだけど、今回のこの荷物すごく強いきつめの香りが染みついてて、音源と共に少し中てられてしまった。

ドキドキ。

blue side

red side



               ちょっとよくは解りずらいかも。




で、3DMVはこちら。このMVを作った人がTHE KIWI'SのAdam Bruneauという人で、自身のバンドのMVは勿論、今作のツアービデオも公開してるし、ちょっと雰囲気が違う所で、DEERHUNTERの「Cover Me Slowly」「Microcastle」のMVなんかもこの人の作品。全体的にアニメーションが得意みたい。


 
メンバーによると『 Death From beyond the Grave 』のA面が実際のレコードで、B面は四つの異なるレコーディングで録音された単なるボーナストラック、との事。確かに音のクリアさはA面のが際立っているけど、B面の生のドシャドシャ感、ガレージ感もBLACK LIPSが好きな人は絶対気に入ると思う。あとB面の最後には“BTOのメンバーが肉体に還ってきた”という「Taking Care of Business」のカヴァー(と書いちゃう)も収録。


まるで誰かがつまみをあげたみたいにいきなり音量があがったり、彼らのサウンドに必須の酩酊するかのようなサイケ感、アシッド感は全体に漂ってるけど、ロウアーな出自の為か自分の耳には何故かこの音楽がとても心地良い。そんな私の一番のお気に入りは…、日本のゲーム音楽のコンポーザーの名前が楽曲名の「Koji Kondo」なんかは違う意味でも燻られるものがあるし、全曲好きで甲乙つけがたいけど、やっぱり「California Boys」かな。ちょうどKISSを更に半音下げたような感じのポップ。
      





ハロウィンて個人的に豆まきのように家でひっそり行うものだと思ってたから、近年の日本の絢爛たるさには驚きを隠せない。

因みに彼らが推奨するこのレコードの聴き方は「キャンドルを沢山燃やして、パンツを脱いで聴いて下さい。…可能なら。」らしい。

ハロウィンに浮きたつ今の日本でも、多分誰もしないと思ふ。


2013年10月29日火曜日

Rye



           ATPの会場があるNew Lydd RoadのCamber sands resort。
 そこに行くためには、Londonから国際鉄道を利用し“Rye”という駅で下車しなければならない。
               広大な田園風景をぬけてこの街はポツンとある。



             
日本から1人で海外に行くわけだから、できるだけ安全を確保する事は義務だと私は思う。
ATPを目指すため、この停車駅がある“Rye”の街についても、日本で散々調べたんだけど情報が殆ど載ってなく、旅の完全無欠ガイドブックと信じて疑わなかった『地球の歩き方』(お世話になってます)でさえも充分な情報を得られなかった。

     インターネットが普及して、何でも知った気になってるようなこのご時世。
   でも自分の知らない世界はまだまだ果てしないんだ、って事を旅をすると実感する。

まぁ、そんな事はおいといて、この街については自分1人であれこれ四苦八苦情報収集したあげく、
知人が以前に訪れてた事がその後に発覚。良い意味で杞憂に終わる。

         「とてものどかで小さな良い街。行ったの10年位前だけど。」


降り立ってみれば、多分きっと10年前と全く変わってない。そう思わせる景観。



               こういう街でも、つい変なモノに目が向いてしまう。


    ATPでキャンプした三日間。
 私は御昼間は会場から出ることなく、物販に行ったり誰かと話したりして過ごしてて、足を延ばしたと言えばせいぜい近隣の海くらいだった。この海は、地元の人に聞けば「汚くて波は荒いし何にもないよ。」との事だったが、私はとてもたおやかな時間を海岸で過ごす事ができた。夜はliveで意識が激しく揺さぶられるので、昼間はなるたけ静かに過ごしたかった。「観光」ではなかったが、昼も夜も日本で過ごす毎日とはどんどん乖離していく。これが旅の真の醍醐味だと私は思っている。

私が海で呆けてるその一方で、ルームシェアしたデザイナーさんは毎日一時間に一本のバスに乗りRyeをアグレッシブに散策してた。なので、彼女から色々この街のお店について教わる事ができ、
最終日の帰りの道中、お土産を購入する為にも1人で寄り道してみる事にした。良いとこどり。





           「Ryeでしか買えないグースベリーのジャムがある」と習ったRye Deli。
    お店のおばさんは少し訛っててチャキチャキしてて日本でいう江戸っ子みたいな印象。

お勧めは看板でもあるDeli。
「私は日本に持ち帰りたいから、これは買えない。」というとおばさん不機嫌に。

クレジットダメなんかぁ、と思いながらジャムと檸檬カード沢山購入。おばさんの顔に笑顔が戻る。


この街で一番気に入ったのは路地。雨や霧が多いと聞いてたけど、私は運が良かったのか悪かったのか一度も遭遇せず。煉瓦が雨にぬれて、艶黒に変わった街並みも見たかったかな。

すごい狭い路地にあるバーバー。中を覗くとお爺ちゃんの店主がお爺ちゃんの髪を散髪してた。
写真撮りたかったけどさすがに自粛。

1人なので、スイートメモリー感ゼロ。

かっこいいSUBARU発見。


日本で紹介されてたよりも全体的にDusty。それもまた経年の魅力。


三時間ほど、ショッピングやお茶を堪能して帰りの駅へ向かう途中、ATPのスタッフのTracyが向こうの道から大きな声で「ナホ!」と手を振ってきてくれた。スタッフである彼女はイベントの片づけを終えて、今から観光するとの事だった。

ATPが目的で行ったけど、なんだかんだで色々楽しんだなぁ、と両手いっぱいに荷物を抱えながら手を振り返した。

2013年10月20日日曜日

名刺を作りました。


                 
                  My Name


ギラギラ大好き

中のママさんと眼が合う

一応三年前位に「名刺」(って言葉が嫌でNAME CARDって言ってたんですけど)も大量に作成して、ZINEに添付したり、お逢いした方に配ったり、万置きしたりしてたんですが、パソコンサーバーの移り替えに伴い、メールアドレスを変えたので、気分も一新。新しいの作ってみました。


3種類

ksi

                      
  
                        
                  kak



                      
          Klme
                         


“実際に自分の眼で観て感じる”事を常に大事にしているので、現場にはとにかく足を運びます。
そこに赴くと、作家さんやアーティスト自身と創造の空間があり、それを取り巻く人々やオーディエンス、観に来た人沢山と接する機会があるわけです。

 時には、言葉の壁やそのクリエイティビティの大きさや力強さに圧倒されたりもしちゃうのですが、そういう時は「これは全部、人間が創ったものなんだ。その人も私や皆と同じで、何かに悩んだり躓いたりしながら、これを創ったんだ。」と自分に言い聞かせて、奮い立たせるようにしてます。
目下の自分の課題は、人みしりと口下手を治す事なんですが…。

 とにかく、外に出ると自分1人ではなくて、何かを共有(もしくは孤独でもある)できるチャンスがあって、人とのやり取りやお話を聞いて、悩んだり迷ったりもするけど、得られる事のがずっと多いので、色んな人との出逢いや一期一会を、これからも更に大切にしていきたいと思ってます。
 なので、またお逢いしたりしたら、どうぞ貰ってやってください。



しかし万置きはまだまだします(ハードル高いとこに挑む癖あり)。   

 ♤What’s is quickcanal??…”QUICKCANAL”という名前について
                              
 ただ単に自分の名前が海外の人からしたら発音とか難しいかなぁ?と思い、ZINEを作ってたその時にたまたま聴いていたATLAS SOUNDの曲名より拝借しました。
 後に辞書で言葉の意味を調べたら「器官」という意味もあるそうで、それもたまたまなんですが、私は手術で器官を1つ摘出してたし、「CANALは水が流れる、とか流線、という意味もあるんですよ。」と人さまに聞いてた事もあり、何も考えずに付けたんですが、今となっては偶然のような必然なような。

 因みにブラッドフォードに「曲名勝手に使ってすみません。」って言ったら「全然そんなの気にしなくていいよ!むしろバンバン使って!」って感じでした。有難い。

 有難い、と言えば「偶然のような必然」というような事なんですが、本当にそれを実感する事が多くて、奇跡的な事なんだよなぁ、とジワジワ噛みしめてます。DEERHUNTERのショウを初めて観に行った時も、隣を何気なく見上げたら、そこにロケットが立っていたんだよなぁ。
 

2013年10月18日金曜日

いきなり秋。





       最近までうだるような暑さだったのに、ここ数日でいっきに秋めいてきた。
冬が一番好きな季節で、服装もウールやモヘア、ブーツが大好きなので、空がスッキリしない陰鬱な色でも心が自然と浮き立ってしまう。ただ日脚が伸びた方が、そういう格好して沢山遊べるけどね。


萬福寺近く。

ところで一体何なのか。

            音楽でも何でもクラウディなモノってずっと好き。
   消えゆくモノへの儚さや、美しさを見出すのは“日本独特の文化・風習”と何かで読んだ事があるけど(花火とかもね)、個人的にはそんなわけあるまい、そんなアホな、と思っている。そしてそう思いたい。Robert Mapplethorpeも、死へのオマージュとして枯れゆく花を撮影していたし。


絶え絶えでも、キチンと花。
                 
                    最近のお気に入り   


                                                   
                                                          FKA twigs    
 FKA twigs                                                                    FKA twigs



一度聴いたら虜になってしまった。柔らかくて美しい歌声だけど、冷たくて禍々しくてエキセントリック。この病みつき感は「恐いもの見たさ」に近いように感じる。ついつい何度も観てしまうMVのセンスもピカイチ。最近疲れると、フィメールシンガーの声を聴きたいなぁ、と思う。しかも彼女はロンドンを拠点に活動してるらしく、個人的にロンドンの想い出は時差ぼけでずっと霧がかかったみたいに霞んでいるので、リベンジしたいと常々考えている。live観たいな。


ジャケで遊ぶ。


コラージュ的な感じで。

                                                          
    そしてハロウィンめちゃんこ楽しみ。そんなに大した事は結局しないんだけど。




  楽しみと言えば今名刺も印刷完成待ち。自分で印刷をしない時は、どんな風に仕上がるのか、予想がつかないという事を楽しむ。自分なりの考えは持ちつつ、自分1人という限界や範囲を超えたトコロを目指してる。色んな人や、その感性、技術に日々支えられてる。




2013年10月7日月曜日

10月




                
 「羽を広げて停まってるのは蛾。閉じてるのが蝶。」と、昔理科の先生に教わったから、歩いてる時に見つけた時は、少し驚いた。まるで、誰かのペンダントのトップがそのまま置き捨てられたみたいに見えて、写真を撮るため近づいても、びくともしないから、もしかしたら死んでるのかな?という考えが頭をよぎる。

その後、こちらの不安をよそに静かに羽を閉じた。ちゃんと生きてました。

     
     QFDDrumstickbag


   が、届いた。人生初の受注会でオーダーした物。「着飾る」という行為や本質については、日頃常々よく考える。“性”“外観的な価値”“心(=人生)を豊かにするもの”and more。これについては、永遠のテーマの1つだとも思うんだけど、個人的にざっくり言えば、着る物やお化粧品については、昔からあまり頓着が無い方なのかもしれない。ただ、作り手の本気や歴史の重み、が感じれるものは昔から大好きだ。出逢うといちいち感動してしまう。


Front

    レコードや古本を探したり、好きな映画を観たりする事は、心から楽しいし、それらを毎日の生活からピックアップする事は、もはやライフワークの一環であり癖である。でも、たまに「あー!楽しい!」と、最高潮に思ってる瞬間に「本当にこれでいいのか?」という問いかけも同時に生まれる事実。自分の世界に引きこもったらいかんな、的な自分も確実に内在してる。だから、そんな自分がお洋服屋さんで働いてるという事は、ある意味で外界とのバランスが上手くとれてるのかもしれない。私がレコード屋さんや本屋さんなんかで働いたら、それこそ、ほんとにどストレートにオタク街道まっしぐらだもんね(因みに“オタク”という表現ですが、言葉としても大好きだし、そう呼ばれる人達も大好きです。というか自分もオタクだし)。

 そういや、つい最近通勤中に眼鏡であきらかにソレらしい風貌の高校生がスケートボードで通学してるのを目撃した。そういうのがとっても良いし、カルチャーのクロスした所に自分も居たいんだよな、という想いがZINEにも繋がってる。


毎日見てるお気に入りのブーゲンビリア。


ですが、よそ様の物です。

   ちょうど9月の終わりにロケットからメールが届いていた。だいたい内容は私信なんだけども、書きだしが「昨日の晩にアトランタに戻ったよ!」で、大層疲れてるだろうに、さすがの細やかなお気遣いというか、その配慮の分配量にいつも驚かされる。“才能とかセンス”を語ると、単純に技量のお話ではなくなるから、むつかしい所だとは思うんだけど、努力してない才人はいない、と私は信じている者なので、やっぱり第一線にいる人は、要は「立ち振る舞い」なんだとも思う。



        
                         10月7日 
      Have A Happy Birthday And Wonderful Year  




   ZINEを作るのに自分が撮影したモノを見返してる。たいがいがダメ。だから少しでも良いモノを撮れるようになるため、愛用の安いデジカメでとにかくバンバン毎日撮りまくってやろう、と思う。